雨後の

主に備忘録の予定.

旧七帝附属図書館の職員数比較

7月に受けた長期研修の最後の課題にレポートがあり,ざっくり言うと大学図書館に関係して将来的な状況を考える内容で何かを書きなさい,というテーマを与えられます。

直前まで呻吟した結果,とりあえず普段あまりきちんとみていない統計類などを眺めてみようとおもい,日本図書館協会『日本の図書館』2014(最新刊)*1を開いてみました。

ci.nii.ac.jp

ここには,国公私立大学の奉仕対象人数,職員数,館数,前年度決算額などが掲載されています。

某大学は規模の割に職員数が少ない,ということを常々聞いてはいたのですが,本当にそうなのかということをきちんと今まで見たことがなかった,というのが動機(?)です。これまでにも調査されてそうですが。

その結果です。

  奉仕対象数 職員 比率等  
  総数 うち学生 専従 非常勤・臨時 職員計 奉仕対象/職員 専従/非常勤 館数
北大 21,829 17,909 92 30.4 122.4 178.3 3.0 18
東北大 28,825 18,383 58 88.9 146.9 196.2 0.7 16
東大 38,359 28,113 165 155.9 320.9 119.5 1.1 28
名大 25,216 16,589 54 85.3 139.3 181.0 0.6 19
京大 39,296 24,464 108 132.4 240.4 163.5 0.8 30
阪大 34,409 24,475 53 60.1 113.1 304.2 0.9 4
九大 27,309 19,358 73 57.5 130.5 209.3 1.3 8
                 
(参考)                
千葉大 20,548 14,825 23 26.9 49.9 411.8 0.9 3
筑波大 25,093 17,157 59 26.3 85.3 294.2 2.2 5
一橋大 7,901 6,597 38 28.7 66.7 118.5 1.3 5
神戸大 22,809 16,893 53 10 63.0 362.0 5.3 11

 

ちょっとわかりにくいですが,「奉仕対象数」「職員」*2「館数」を拾い,奉仕対象数と職員から比率等を割り出しました。すなわち,黒字が『日本の図書館』に拠るもの,赤字が独自項目です。

比率等の「奉仕対象/職員」を見ると職員の「少なさ」が分かりますが,これによると阪大は旧七帝の中ではダントツで少ないと言えそうです。ただ「参考」で挙げたいくつかの大学と比べると,それほどものすごく少ない!と言うほどでもないように感じました。

専従と非常勤の割合では数字が低いほど非常勤職員さんに支えられているということが言えます。これはかなり大学によって差が出ましたが,旧七帝でも4大学で非常勤さんの方が多いという結果になりました。

館数をみると,部局図書館を引き払っていると思われるのが旧七帝では阪大のみです。集中化は容易に人員削減につながることを考えると,当然かもしれません。

 

まあ,そんな感じのことを眺めてみたのですが,これが課題レポートにどうつながるかというと,まったくつながらなかったのでした*3

 

 

*1:2014年5月1日現在。ここに引用していない開館時間や決算額などは前年度のものとなっている

*2:職員の専従数には兼任の人数が外数で()で書かれているが,ここでは省略した

*3:その先に踏み込むために何が必要なのかと考えると,結局リーダーシップ云々ということに言及せざるを得ず,それは今の自分が具体的に取り組めることを考えると全く絵空事になってしまいそうで断念。似たような規模の大学同士の比較も,これだけの数字では結局何も言えず断念

生態を如何にとらえどうアプローチするか。

長研関連(2),個別の講義編*1。続くか未定・・

筑波大学図書館情報メディア系 逸村裕先生の『利用者の情報行動』。

テンポの速いスライド送りで非常に面白かったです。「パワポを印刷して配られると安心して結局見ない」と講義中に仰るだけあって,配布資料にないスライドもたくさんあるし,クロ現*2の動画埋め込みなどもありました。

いきなり変な点に言及してしまいましたが,スライドの利用の仕方も講師の先生方によって実にさまざまで,そのあたりも見どころのひとつでした。

*1:但しあまり直接の内容に触れないので,今後の長研に行く方のお役には立たないと思います。。

*2:

www.nhk.or.jp

講義では裏話などもあれこれ。ただ,この逸村先生の実験部分,そこだけを取り出すと「読書ゼロ」とはあまりつながらないんではないかという気がした。ネットで情報を得ている子もCiNii Articles で論文にアクセスはしている。情報を得ることとアウトプットが,ネット(?)ベースだと直結してしまうという結果になっているけど,それは媒体に行為が縛られるというだけの話では,というかそもそも読書とは何かという話にもなるような。

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筑波大学附属図書館の刊行物が素晴らしい

さて,長研関連(1)。

研修の各講義のレジュメとともに,全員に配布された筑波大図さんの資料がありました。

  • 『進化する図書館ボランティア:筑波大学附属図書館ボランティアの20年』

ci.nii.ac.jp

 

 

こういうのを冊子でいただけるのはありがたいし,やっぱり冊子でつくっておくといいなあと思いました。

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